詐欺師

コンビニで『なぜ、詐欺師の話に耳を傾けてしまうのか?』を購入。

なぜ、詐欺師の話に耳を傾けてしまうのか?

なぜ、詐欺師の話に耳を傾けてしまうのか?

買ってから「立ち読みで十分だった」と後悔。
まぁそれなりに面白かったですけど。


詐欺師の手口について書かれた本で、それぞれの手口を「○○させる心理術」という風に一種の心理テクニックとして分類・紹介しています。
中には筆者が実際に引っかかってみて取材(?)したものも。
ただ私も興味本位であえて電話の勧誘にのって話を聞きにいったことなんかがあるので、ここで紹介されている手口は(自分の経験も含めて)すでに知っているものが多かったです。
「即時契約しない男に対し、プライドを逆手にとって契約を迫る」という方法は、まったく同じ手口(口上もほとんど一緒w)を使われたことがあるので思わず笑ってしまったw
興味のある人は試しに引っかかってみると面白いですよ。…ちょっと疲れるけどねw


ちなみにこの本には、詐欺にあった時の対策的な話も書かれていたんですが、この本には書かれていないけど個人的に有効(必要)だと思うのは、

  • 常識を守ろうとしない

ということ。「常識」ってのも詐欺師にとって都合のいい概念だからね。
例えば「相手の話の途中で電話を切る」のは非常識な行為ですが、ひっきりなしに勧誘の話を続ける相手に対しては有効な方法です。
あるいは喫茶店で勧誘を続ける相手を「無視して店を出る」とか。
「さすがにそこまでは…」と思うかもしれないですが、そうでもしないとなかなか帰してもらえないし、他に有効な方法がない場合もありますよ。
参考までに。


しかしこの本を読んでいてふと思ったのは…
「詐欺師なんてどこにでもいるよね」ということ。
まぁ「詐欺」というと「刑事罰の対象となる非合法な行為」を意味するから、法に触れない限り「詐欺師」ではないのかもしれないけど…
世界的な有名企業の幹部の中にも、名声のある大学教授の中にも、有力な政治家の中にも「詐欺師的人物」は間違いなくいる。
というか社会で高い地位にいる人間はほとんどが「詐欺師的人物」かもしれない。


「君の負担が大きくなってしまうが、このプロジェクトが上手く行ったら君の昇進を後押しするよ」
なんて言って無理難題を押し付けた上司が、事が済んだら
「今回は御苦労。昇進?ああ、打診はしてみたんだけど、まだ早いだろうと部長に言われてしまってね。でも確実に昇進に近づいたとは思うよ」
なんて具合に手の平ひっくり返すのはよくある話でしょう?


上記のような「詐欺」に騙されない方法があるとしたら、それは「条件を明確にする」ことでしょう。
アメリカ的な契約主義のスタンスですね。
相手があいまいな条件で釣ろうとしたら、「それは確定事項ですか?それとも可能性の話?もし実際にそれが行われなかった場合は何か補償があるのですか?」と相手を問い詰めましょう。
逆に排除すべきなのは「あまりしつこく聞くと生意気と思われるかもしれない…」みたいな日本的謙譲の精神。
そういうものを持ち続けている限り、相手はそれにつけ込んでくるので、いいように扱われてしまいます。


…まぁでも日本の組織だと、実際に後者のような「詰めの甘い人間」が可愛がられたり、前者のような合理主義者が嫌われたりするので、騙される以外に方法がなかったりするんだけどね。
あー、やだやだ。


…でも時には「条件を明確にする」ことで得をすることもあるかな?
あからさまになめられてる時は牽制になるだろうし…
それに、条件がはっきりして、自分の望むものが得られないと分かれば、無駄な時間を遣わずに済むこともある。
それはけっこう重要なのかもしれないな…と思う今日この頃です。