サラリーマンへの道

この不況のご時世、会社がいつ潰れるか分からないとは言え、やはり不安定な自営業よりも、会社勤めの方が魅力的ですよね!
毎日同じ仕事をするだけで、高い給料にありつけるかもしれません。
そんなわけで人生の先輩である私が、サラリーマンになるための心構えを学生諸君に伝授しようと思います。


〈中学・高校時代〉
青春時代はスポーツに打ち込みましょう!
運動部は会社組織と同じで、上下関係がはっきりしています。
ここで先輩に取り入る術、理不尽に耐える精神力、後輩の扱い方などを身に付けましょう。
仕事に必要な体力もつけることができますから、一石二鳥ですね。
大会などで好成績を残せば、面接でも有利になるかもしれません。
バイトで上司のあしらい方や接客マナーなどを学ぶのもよいでしょう。


勉強はほどほどで構いませんが、よい会社に入るためには高偏差値の大学に入っておいた方が有利です。
3年に入り部活が一段落ついたら、受験勉強に専念しましょう。
もし思ったほど成績が伸びなければ、一浪しても構いません。
でもなるべく二浪以上は避けましょう。
基本的に入社時は年齢が若い方が有利ですし、「こだわりの強い人間」と思われるのは得策ではありません。


〈大学時代〉
大学と言えばサークル活動です。
中学・高校と同様に硬派な体育会で過ごしてもいいのですが、チャラめのサークルで知り合いを増やしておくのも一つの手です。
運転免許はなるべく早い段階で取得し、車の扱いに慣れておきましょう。外回りのときには不可欠です。
この時期に様々なバイトを経験しておくと、会社に入ってから役に立つかもしれません。
また1、2年の頃からインターンを経験しておけば、ライバルに差をつけることができます。


これだけやることがあるのですから、勉強がおろそかになってしまうのは仕方ありません。
ですが留年すると就職時に不利になるので、サークルの先輩や友人から過去問を入手し、最低限の労力で試験をクリアしましょう。
レポート提出が必要な場合は、過去レポを駆使しましょう。ただし自分なりのアレンジを加えることを忘れてはいけません。
余力があったら資格などを取得するのもいいかもしれませんね。
とりあえず「簿記二級」「TOEIC 730」あたりが手ごろだと思います。
理系なら「基本情報処理技術者」や「知財検定」あたりでしょうか?
あまり頑張りすぎて「公認会計士」やら「弁理士」やらに受かってしまうと、「こいつはすぐに独立しそうだ」と警戒されてしまうので注意が必要です。
「何事もほどほどに」がサラリーマンの鉄則です。


卒研やゼミがある場合には、大企業にコネを持つ教授やOBのいる研究室(ゼミ)を選びましょう。
あらかじめOBの就職先などを調べておくのがポイントです。
また教授が就職活動に理解があるかどうかも重要です。
間違っても朝から晩まで実験させられるような研究室を選んではいけません。
大学3年の春から速やかに就職活動を開始し、夏はインターンと業界研究に専念しましょう。
秋までに目当ての業界が定まったら、あとはエントリー・シートを送りつけるのみです!
「数打ちゃ当たる!」が原則ですから、手間を惜しんではいけません。
面接では自分のサークルでの活躍、バイト実績などを披露するのが王道です。
「個性のない奴だ」と思われる可能性はありますが、かといって企業の人事担当も人間性を見抜く術など持ち合わせていないので、あなたが有名大学の学生であればきっと採用されるでしょう。


それではみなさんの健闘を祈ってます!


…もしすでに内定が取れた方がいたらおめでとうございます。
ですが、立派なサラリーマンになりたいのなら、内定がとれただけで満足してはいけません。
会社から指定された資格などは、卒業研究の時間を削ってでもきっちり取得しておきましょう。
運転免許を持っていない人は、必ずこの時期に取らねばなりません。
同期の内定者とは入社前からマメに連絡を取り、親交を深めておきましょう。


ただ…本当の戦いは会社に入ってからなのです。
会社に入ったら、学生の頃は予想もしなかったような厳しい試練に晒されるでしょう。
しかし、それらを乗り越えてはじめて、真のサラリーマンになることができるのです。
あなたが立派なサラリーマンになれるよう陰ながら応援しています。
そして…願わくば20年後、あなたの取り分が少しでも会社に残っていますように!