ブランド志向

日本人はブランド志向が強いとよく言われます。
有名大学や有名企業への進学(入社)願望が非常に強く、ベンチャー企業のような新興の組織にはあまり行きたがらないと。


私自身、大学を選ぶときはかなりブランド志向が強かったんですが、いざ大学に入ってみると(第一志望には入れず第二志望に入ったのですが)「そこまでこだわるほどでもなかったかな?」という感じでした。
高校時代の友人は様々な大学に進学しましたが、授業の内容は「似たり寄ったり」という感じだったので…


しかし大学入試から10年近く経ち、院に進学し、就職活動も経験してみると、また少し「ブランド志向」の捉え方が変わってきました。
大企業とか有名大学の院に入ったところで、劇的に生活が変わるわけではないけど、一つ期待できるものがあるよね、と。
それは「コンプライアンス(法令順守)」です。


「日本の企業や大学はめちゃくちゃやってるし、規制する法もザルだよね」というような話をこれまで何度も書いてきたわけですけど、ある程度理不尽な目に遭う確率を下げることはできる。
その数少ない方法の一つが「大企業や有名大学に入る」ことなのです。


もちろん、中小企業でもコンプライアンスのしっかりしているところはあるでしょうし、法令に対する意識が高くなくても、同僚・上司に恵まれればそれほど理不尽な目に遭わないかもしれません。
しかし、めちゃくちゃなことをやっている会社も日本には多数存在しますし、そういう会社(部署)を外部から見極めるのは困難です。
まぁよほど世渡りの術に長けていれば上手く危険を回避して生きていけるのかもしれませんが…
そうでない限りは運に頼るしかなく、いつ「落とし穴に落ちるか」分からない状況です。


確かに大企業(有名大学)でもおかしなことをやってるところはあるでしょう。
それでも、中小企業(地方大学)よりはるかにその頻度は低いはずです。
「それなりに優秀な人材が集まっているから」というのもあるし、「直接業績に響かない要素に意識を向けるだけの余力があるから」とも言えるし、「自社のブランドイメージが大きな財産となっているから、それを汚すことは避けたいから」かもしれない。


まぁそんなわけで、日本人がブランドに頼るのは仕方ない部分もあるのかな…と思う訳です。
てか、中小企業や地方大学は、安易に学生のブランド志向を批判する前にやることがあるんじゃないの?
政治家や官僚もね。