博士号取得率について考える

ずっとこのトピックについて書こうと思っていたんですが、「どうせなら内容の濃い記事を!」とか拘ってたらなかなかまとまらなくなったので、ひとまず今まで調べた範囲で書いておこうと思います。

てか、別サイト博士号取得率 - jotunの覚え書の草稿とほとんど同じ内容なんですけどねw
(こっちの方がある意味分かりやすいな…私は「文章で分かりやすく書く」能力がないのかもしれんw)


「博士号取得率(学位取得率)」という言葉が正確に定義されたオフィシャルな言葉なのかどうか分かりませんが、私の定義では「博士号取得者/博士後期課程入学者」です。
ただ同じ年度の「博士号取得者/博士後期課程入学者」だと、正確に「博士後期課程に進学したうち何割が博士号を取得できたか」ではなくなるので、少々問題なのですが…
博士後期課程に入学(進学)した人を追跡調査して、何割がちゃんと博士号を取れたかチェックしてくれるといいんですけどね。
ただその場合同じ「博士号取得者」でも、取得に要する年数が違ってたりするので、その数値だけで大学院の良し悪しを判断することはできませんけども…


ともかく、「博士後期課程に進学したうち何割が博士号を取得できたか」というデータは大学院を選ぶ上で重要だと思いますし、それをまず明示することが日本の大学院を改善する第一歩になると思うのです。
で、国がそういうデータをまとめてるのかな?と思ってwebでちょこっと調べてみたんですが、日本全体でのデータはあるものの、大学別や学部別、学科別のデータというのは(開示されて)ないみたい。(もし知っている方は教えて下さい)


私の知る限り、大学別に博士号取得率を試算しているのは下記の本くらい。(ただ全ての大学のデータが掲載されているわけではない)

理工系&バイオ系失敗しない大学院進学ガイド―偏差値にだまされない大学院選び

理工系&バイオ系失敗しない大学院進学ガイド―偏差値にだまされない大学院選び

で、上記の本は下記の本(もっと古い年度のものだろうけど)のデータを使って試算しているみたいです。

大学ランキング2011 (週刊朝日進学MOOK)

大学ランキング2011 (週刊朝日進学MOOK)


仕方ないので個々の大学のHPに行って、その大学院の博士号取得率を調べようとしたのですが、ちゃんと示しているところは少ないみたいです。
とりあえず東大はちゃんとデータがありますね…
東大大学院修了者の進路


いずれにせよ、今の段階では限られた情報しか手に入らないようです…


私がなぜ「博士号取得率」を重要視するかというと、それが低い大学院は「入っても学位がとれない」ことになるので、後の人生を考える上で非常にリスキーだと考えるからです。
最近は「博士号をとっても悲惨な人生だ(≒就職先がない)」と言われてますが、「博士後期課程に進んだが博士号がとれない」場合はもっと悲惨なわけです。
ゆえにそのリスクがどの程度あるかどうかは大学院に入る前に知っておくべきだと思うし、大学院側は入学する学生にそれを示しておくべきだと思うのですが…


え?「学位取得要件が明示されていればいい」って?
うーん、確かに「英文雑誌に主著論文を3本以上掲載した上で、学位論文が学位授与に相当すると認められた場合に学位を認定する」みたいな文言は大学院の学則などに書いてあるんでしょうけど…
でもその「主著論文」の投稿は指導教官の助力なしにはほぼ不可能ですし、投稿に足るだけの実験データがあっても、指導教官が名声を得ようとして有名雑誌を狙い、その結果なかなか論文が投稿できなくなる、なんてこともあるわけです。
そういう意味で、「博士号取得率」のデータの開示は全ての大学院に義務付けられるべきだと思うのですが、現状ではそうはなっていないみたい。
文科省の方々には、そこら辺をどうにかして頂きたいものですな。


ちなみに、私がそのデータにこだわる理由は他にもあるんですが…まぁそれはまたの機会に。
(まぁ博士号取得率 - jotunの覚え書にはすでにちょこちょこ書いてあるんだけどw)