教育

問いを発する能力と問いに答える能力

ノーベル医学生理学賞を受賞したシドニー・ブレナー氏の自伝(琉球新報社『エレガンスに魅せられて』)に、次のような一節があります。 もちろん、クリックを私はいつも尊敬してきた。彼は常に適切な問いをする頭脳の持ち主である。もっとも、彼が常に正しい…

修士論文が不要に?

大学院、2012年度から修士論文不要に 試験などで審査 :日本経済新聞http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/08/1309319.htm「修士論文が不要になる」という記事が話題になっています。この施策は以前から中教審等で提案されていたもので、コースワーク(専…

「適切な指導」についてのケーススタディ・その1

twitter上で「論文の草案を早く見せなければならないが、まだ十分に書けていないので見せたくない」という発言を目にして、強く共感しましたし、結構「指導」における重要なポイントなのではないかと思ったので、少し考察してみようと思います。 理想的には…

自作のまとめのまとめ

ここ数カ月twitterにハマっているわけですが、ツイートをまとめることのできる「Togetter」も頻繁に利用しています。 興味の赴くままに自分を含め、いろんな人のツイートをまとめていたところ、先日50まとめに到達したようです。 そんなわけで「50まとめ…

物事の順序

中教審の答申が話題になっているようです。 曰く、「5年制の博士課程の2年修了時点で、特定の研究テーマについてまとめる修士論文を原則的に廃止。代わりに幅広い分野についてテストやリポート審査を行う「クォリファイング・イグザム」の導入を求めている…

世界の英語教育

twitterでイギリス在住のMay_Romaさんという方が、「日本の英語教育はほんとヤヴァイ」みたいなことを呟かれてたので、「ヨーロッパとかだともっとマシなんですか?」と聞いてみました。http://togetter.com/li/79887 ちなみに私は「学校教育+α(自学)」で…

研究室を決める前に

「明日書く」と言いながら数日放置してましたが、とりあえずtwitter切り貼り日記の第一弾。 東大とお茶の水大学の研究スペースを比較したツイートが流れてきたので、研究室選びに関して一考察を。 まぁ「研究室の選び方」に関してはweb上にかなり情報がある…

大人と子供のコミュニケーション・ギャップ

大人が「子供のため」にアドバイスをしても、それが子供に伝わらないことってよくありますよね。「たまにしか理解されないのは仕方ない」とか「すぐ理解できなくてもいつか分かってくれるだろう」とその場でのコミュニケーションを半ば諦める方が多いようで…

博士号取得率について考える

ずっとこのトピックについて書こうと思っていたんですが、「どうせなら内容の濃い記事を!」とか拘ってたらなかなかまとまらなくなったので、ひとまず今まで調べた範囲で書いておこうと思います。てか、別サイト博士号取得率 - jotunの覚え書の草稿とほとん…

複数指導教官制

以前から「日本の大学院教育はマズいんじゃないの?」といった趣旨のエントリを何度か書いてきました。ポスドクは本当に使えるのかループ&ループんで、とるべき策はいろいろあると思うんですけど、その中でも重要なのは「複数指導教官制」の導入ではないか…

忠犬教育

ひろゆき、ホリエモン、勝間和代の鼎談本『そこまで言うか!』を読みました。そこまで言うか!作者: 勝間和代,堀江貴文,西村博之出版社/メーカー: 青志社発売日: 2010/09/02メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 176回この商品を含むブログ …

16歳のハローワーク

13歳の進路作者: 村上龍,はまのゆか出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2010/03/25メディア: ペーパーバック購入: 4人 クリック: 67回この商品を含むブログ (17件) を見るふと本屋で上記の本が目に入ったので立ち読み。 以前話題になった『13歳のハローワーク』…

大学改革の障害

昨日ちょこっと「大学をどうにかせねば…」みたいな話を書きました。(若者殺しの構造 - jotunの独り言) んで、今日は「じゃあどうしたらいいのか?」という話を書こうと思います。 「大学院」レベルだと話が複雑になるので、とりあえず今回は「学部」につい…

ループ&ループ

『博士号を取る時に考えること取った後できること―生命科学を学んだ人の人生設計』という本を読みました。博士号を取る時に考えること取った後できること―生命科学を学んだ人の人生設計作者: 三浦有紀子,仙石慎太郎出版社/メーカー: 羊土社発売日: 2009/03/0…

ポスドクは本当に使えるのか?

ポスドク(博士号取得者)が就職難だ、という話は聞いたことがあると思います。 その対策として、文科省は「ポスドクを採用した企業に480万円支払う」という策を出したんですが…それでも採用する企業が少ないという悲惨な結果のようです。 これは何ヶ月か前…